ESP Zigbee NCP

このチュートリアルでは、Module Gateway H2 と CoreS3 コントローラを組み合わせて ESP Zigbee Host/NCP サンプルプログラムを実行する方法を紹介します。ESP Zigbee NCP (Network Co-Processor) は、別個のプロセッサ上で Zigbee プロトコルスタックを実行し、シリアルポートを介してメインプロセッサと通信するネットワーク・コプロセッサーモードです。このアーキテクチャにより、メインプロセッサはアプリケーション層のロジックに専念でき、Zigbee ネットワーク関連の処理はコプロセッサに委ねることができます。以下のチュートリアルを参照して、Module Gateway H2 に ESP Zigbee NCP ファームウェアを、CoreS3 に ESP Zigbee Host ファームウェアをフラッシュし、Coordinator ノードを作成します。

1. 準備作業

• 1.環境設定：
  ESP-IDF - ESP32S3 入門チュートリアル を参照して、基本的なコンパイル環境を整えてください。

• 2.Git コマンド clone --recursive を使用して、ESP-Zigbee-SDK リポジトリを再帰的にクローンします

  git clone --recursive https://github.com/espressif/esp-zigbee-sdk.git
  cd esp-zigbee-sdk
  

• 3.使用するハードウェア製品:

  • ESP32 Downloader
  • Module Gateway H2
  • CoreS3

  

• 4.後続のチュートリアルで使用する idf.py コマンドは ESP‑IDF に依存します。コマンドを実行する前に、ESP‑IDF 内で . ./export.sh を実行して関連の環境変数を有効にしてください。詳細については ESP-IDF - ESP32S3 入門チュートリアル をご参照ください。

2. NCP ファームウェアのコンパイル

• 1.以下のコマンドを参照して、対応する NCP ファームウェアのディレクトリに移動し、ビルドターゲットを esp32h2 に設定してください。

  cd examples/esp_zigbee_ncp
  idf.py set-target esp32h2
  idf.py menuconfig
  

• 2.idf.py menuconfig を使用して設定画面に入り、menuconfig 内でデバイスのピン設定を以下の項目で設定します：
  Component config → Zigbee Network Co-processor

  - Component config → Zigbee Network Co-processor
    - UART TX Pin: 24
    - UART RX Pin: 23
  - Component config → ESP Zigbee → Configure the Zigbee device type
    - Zigbee Coordinator or Router device # or Zigbee End Device
  

  

• 3.以下のコマンドを実行して、NCP ファームウェアをビルド、フラッシュ領域を消去、そしてフラッシュします:

  idf.py build
  idf.py erase_flash
  idf.py flash # 実際のポートに応じて修正してください
  

3. HOST ファームウェアのコンパイル

• 1.以下のコマンドを参照して、対応する HOST ファームウェアのディレクトリに移動し、ビルドターゲットを esp32s3 に設定してください。

  cd examples/esp_zigbee_host
  idf.py set-target esp32s3 # CoreS3 用
  idf.py menuconfig
  

• 2.idf.py menuconfig を使用して設定画面に入り、menuconfig 内でデバイスのピン設定を以下の項目で設定します：
  Component config → Zigbee NCP Host

  - Component config → Zigbee NCP Host
    - UART TX Pin: 17
    - UART RX Pin: 10
  

  

• 3.以下のコマンドを実行して、HOST ファームウェアをビルドおよびフラッシュします:

  idf.py build
  idf.py flash
  

4. 実行開始

• CoreS3 と Module Gateway H2 を接続します。

• CoreS3 をコンピューターに接続します。

• idf.py monitor またはその他のシリアルデバッグツールを使用して、115200bps の設定で実行ログを確認してください。

  

正常な実行ログの内容：

• NCP 側では Zigbee プロトコルスタックの初期化が成功したことが表示されます。
• Host 側では NCP との接続が成功したことが表示されます。
• Zigbee ネットワークの作成に成功（Coordinator モード）。